冬深し

先日、とうとう飼い猫が息を引き取り火葬まで済ませた。

顔に腫瘍があることがわかってから、数ヵ月の間にどんどん顔が崩れ、片目を無くした穴は口まで繋がり、常に舌が見えていた。

そんな、生きているのが不思議なくらいの姿になってからもしばらく生きてくれたし、最後は歩けなくなったので行きたい場所を察して運んでやったり、スプーンで食事を与えたり、ずいぶん世話もさせてくれたおかげで、思ったよりも落ち込まずにだいぶ救われている。

シンプルな一生を見せてもらったことはとても大きい。

ただ、死ぬまではちゃんと生きていた。

猫は死ぬ前に元気なふりをすると言われているが、それにしても本当に最後まで食事をし、水を飲み、排泄をした。

死ぬ数日前、トイレで踏ん張る力もないのに、なんとか頑張ってウサギのような小さな便をしたのを見て目が潤んだ。

この猫の姿を自分が死ぬ時まで覚えていたいと思った。

逝く猫の火葬終えれば澄みしその骨の音さえ愛しさ満ちて

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